That's me,too.

京都出身、東京都狛江市在住の社会人19年目。2児の父。

明日はきっと声が出ない。

まずは状況を記録。
今シーズンの昇格争いは、残り1枠を争って、湘南ベルマーレヴァンフォーレ甲府が事実上一騎打ち。
48節が終わった時点で、湘南と甲府は勝ち点同じ。
得失点差で、湘南が3位。
そして今日、湘南と甲府の直接対決。
場所は、甲府の小瀬競技場。

15時半、競技場に到着。
アウェー側の入場口には、すでに長蛇の列。
列に並びながら、まだ緊張感がない自分を感じる。
いよいよスタンドへ。
いつもはゴール裏で観戦しても、少し中心から離れた場所に陣取る。
中心に入って行くのは、少し恥ずかしいから。
でも、今日はどうしても湘南に買って欲しいし、声を出して応援したい。
だから、なるべくサポーター集団の近くに席を取る。
選手が練習に出て来る。
みんな立ち上がり、チャントが始まる。
必死に歌うけど、思うように声が出ない。
試合終了まで大丈夫かなぁと、不安がよぎる。
17時、キックオフ。
開始早々、ベルマーレのシュートがポストを叩く。
そのワンプレーで、盛り上がるゴール裏。
すると開始6分、パスに抜け出た中村がゴール!
いきなりの先制点に、ゴール裏は大騒ぎ。
みんな誰彼構わず握手し、抱き合う。
そして10分。
今度は臼井が、右サイドから切り込んでゴール!!
静まり返る小瀬の中、湘南のゴール裏だけがやっぱり大騒ぎ。
開始10分で2−0という状況は、全く想定してなかった。
気持ちも落ち着いたのか、開始前から止まらなかった膝の震えが治まっていることに気付く。
・・・サッカーでは、「2点リードは危険な点差」なんてよく言われる。
1点返されると、相手が一気に勢いづいてしまうから。
隣のおばちゃんはなどは「まだ、10分しか経ってないから!!!」と絶叫。
もちろん自分も、2−0のまま勝てるなんて全然思えなかった。
でも、3−0にすれば、甲府も心が折れるだろうと考え、必死に声援を送る。
この頃には、みんなと声を合わせて応援することが楽しくなってきていた。
それに、スコアの余裕からか、自然に笑みが出るのも感じてた。
しかし、試合が動いたのは甲府のゴール。
キムシンヨンに決められ、1点差に。
嫌な感じだ。
この流れを抑えるためには、3点目を奪いたい。
中村が、左足のシュートを放つ。
きれいな孤を描いて、ゴールへ飛ぶが、右へ外れる。
スコアはそのまま2−1のまま、前半終了。
ハーフタイムの間にトイレに向かう。
すると「はいはいっ、2−1おめでとう」と、客引きをする売店のおばちゃんがいる。
但し、にこりともせず。
商人の魂を、少しだけ感じる。
・・・試合開始前は、寒さを心配してたけど、立って声を出してるおかげで、身体ポカポカ。
声も出しているうちに、大きな声が出るようななってきた。
準備万端で、後半開始。
次の1点が、大きな意味を持つなと考えていたら、まさかの展開。
甲府に、PKが与えられる。
ピッチの逆側で何が起こったのか、分からなかった。
周囲も「えっ、PK?PK?」と不安げに口にしている。
野澤が止めてくれるさ・・・そう簡単に追い付かれへんやろ。
阿部だって、札幌戦で外したやん。蹴る甲府の選手の重圧もすごい筈。
いろいろとポジティブに考えてみるけど、結果はマラニョンに決められ、同点に追い付かれるという現実。
残り、20分ちょっと。
次にゴールを決めた方が、大きく勝利に近づくのは明らか。
でも勢いは甲府。
何度もピンチが訪れる。
サイドから、ドリブルを仕掛けられる度に冷や汗。
おまけに、審判の判定にも泣かされる始末。
湘南も混戦から島村がシュートを放つも力無く、GKにキャッチされる。
なんとか甲府の攻撃を凌いで、後半ロスタイムへ。

後半ロスタイムは、今年何度も、湘南がドラマを起こした時間帯。
こんなビッグゲーム、何も起こらないはずがない。
不思議と2−2のまま終わる気は、全くしなかった。
右サイド、アジエルがドリブル突破。ファールを受け、FKのチャンス。
アジエルはふわりとしたボールをゴール前へ。
誰かのヘディングシュートは、クロスバーを叩く。
最後にこぼれてきたのは、坂本の前。
坂本が胸トラップから左足でボールを捉えると、ボールはゴールの中へ。

「ゴール裏、沸騰」だなんてよく雑誌とかで目にするけど、正にその光景が目の前に。
ゴールを決めた坂本が、一目散にサポーターの前へ。
それを迎えようと、最前列に殺到する湘南サポ。
一列前では、見知らぬ人通しが肩を組んで喜び合い、後ろの列では何がなんだか分からないくらい抱き合っている。

自分も、左隣のおばちゃんと抱き合って喜ぶ
右から来た全然知らないお兄さんと、ハイタッチを交わす。
その後は、自然と感情が込み上げてきて、涙が止まらなくなった。
しゃがみ込んで泣く。
その後の甲府の攻撃を耐え、ついに審判が長い笛を吹く。
試合終了。
ベルマーレサポーターはみんな笑顔。
そして、勝ち試合後恒例のラインダンスは、最高に気持ちよかった。
選手も、みんないい笑顔。
これで11年振りのJ1に、大きく近付いた。
あと2試合。
甲府の結果にもよるけど、最短で来週昇格が決まる。
来週がダメなら、再来週。
でも残念ながら、仕事の都合で昇格を見届けることは出来ない。
遠い場所から、ケータイを握りしめ、ベルマーレの昇格を祈ることしかできない。
今日決勝点の坂本は、9シーズンもベルマーレでがんばっている。
そんな坂本に、J1の舞台でプレーをして欲しい。
そんなことも言っても、まだライバルを叩いただけというのが事実。
あと2試合も残ってる。
でも今夜くらいは、存分に今日の勝利を味わい尽くそう。